第6期江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座総合コースのご報告

今年もあとわずかとなりました。 お世話になった皆さまには篤く御礼申し上げます。
さて、少し時間が経ってしまいましたが、第6期江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座を10月29日(土)・11月5日(土)・12日(土)の3日間にわたり行い、約20名のコンシェルジュが誕生いたしましたので、その様子をご報告いたします。
第1日目:10月29日(土)のプログラム
・大竹道茂:江戸東京野菜には物語がある
江戸東京野菜とはなにか、その歴史や物語、最新情報を含め基本を学んでいただきました。
・試食/昼食タイム
上原理事による試食のメニューも充実。
・後関晩成小松菜(生)
・亀戸ダイコンおでん
・亀戸ダイコン葉とちりめんじゃこのおひたし
・後関晩成小松菜ときのこの炒めもの


・大竹道茂:江戸東京野菜コンシェルジュの歩む道と食育
資格取得後の活動のヒントとして、生産、流通、食育等の現場でコンシェルジュの皆さんがどのように活躍しているか具体例をお話しました。
・水口均 :江戸東京野菜と各品目
今年の11月に45品目となった江戸東京野菜それぞれの特徴と、JA東京中央会における認定までのエピソードをお話いただきました。
・阿部希望:江戸東京野菜の歴史(種屋の役割)
江戸東京野菜の固定化、普及において種屋が果たした役割は大きいものでした。文献研究からみえる種屋の歴史をお話いただきました。

座学が中心の1日目。中身の濃い内容と情報の多さに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。終了後は心地よい疲労感がただよっていました。

第2日目:11月5日(土)のプログラム
・上原恭子:食材としての江戸東京野菜
江戸東京野菜それぞれの特徴や食味を料理に活かすコツの講座の後、食べ比べと試食で実際に味わっていただきました。
食べ比べは
馬込三寸ニンジンと北海道産ニンジン(F1)
滝野川ゴボウの先端と根元をそれぞれ茹でたもの
試食のメニューは
・滝野川ゴボウの煮物
・滝野川ゴボウそぼろご飯
・馬込三寸ニンジンの明太子炒め
・土垂とロックフォールチーズディップ

・佐藤勝彦:江戸東京野菜の流通と飲食
メニューのほとんどが東京産という「押上よしかつ」を営むうえで東京食材へのこだわり、江戸東京野菜生産者さんとのつながりと仕入れ、メニュー作りなどをお話いただきました。
・パネルディスカッション:大竹、佐藤、福島、上原
皆さんが江戸東京野菜に関わるようになったきっかけや、ご自身の活動についてディスカッション形式でお話いただきました。
・梶谷正義:これだけは知っておきたい野菜栽培の基礎
野菜を栽培するにあたり、土づくりや種蒔き、それぞれの野菜に適した栽培の方法、光合成など植物の仕組から詳しく学びました。
・井之口喜實夫:生産者としての江戸東京野菜の栽培
早稲田ミョウガ発見のエピソードや江戸東京野菜を栽培するうえでのご苦労など、生産者ならではの感動的なお話でした。

2日目ということで受講生同士の交流も生まれ、和やかな雰囲気の中講座が進められました。


11月12日(土)のプログラム
・中田哲也:フードマイレージと地産地消
食品輸送と環境負荷の問題や食品ロスについて、フードマイレージの点でも地産地消として江戸東京野菜の利点などをお話いただきました。
・中田哲也:フードマイレージ・グループワークショップ
4グループに分かれて、実際に献立を選びそのフードマイレージを計算。さらに各班で「未来のより豊かな『食』のために、私たちにできること」を話し合い発表していただきました。このワークショップにより受講生同士の交流もぐっと深まりました。
詳しくは中田先生のブログもご覧ください。


・試食タイム
最終日ということで試食の品数を増やし、松嶋が担当させていただきました。
・江戸東京野菜バーガー(後関晩成小松菜入りバンズにシントリ菜生葉と東京エックスのピカタ、八王子ショウガ入りタルタルソース)バンズは東小金井ファンタジスタさん特製です。
・シントリ菜と鶏ひき肉の中華風炒め煮
・金町コカブの浅漬け
・金町コカブの和風炒め
そして福島理事の畑の滝野川大長ニンジンを上原理事が現場でおろしとスティックに。
見本の野菜も一緒に召し上がってもらおうとニンジンドレッシングのサラダに仕立てました。

・福島秀史:江戸東京野菜のPR
江戸東京野菜コンシェルジュとして、どのように江戸東京野菜と関わりPRしていくか。八王子の好例を含めてのお話。八王子ショウガと磯沼ミルクファームさんの牛乳で作った特製アイスクリーム「八王子しょうがミルク」の試食もしていただきました。


・検定試験
緊張感高まる中、いよいよ検定試験が始まりました。「こんなに勉強したのは学生以来!」という声も…。終了後は皆さん晴れ晴れとした表情で記念撮影。
後日合格者には認定証が送られました。

11月19日(土)にはオプションで三鷹市で農家を営むコンシェルジュ1期生の冨澤剛さんのご協力のもと、冨澤ファーム圃場見学と懇親会を行いました。

圃場を見学していただいた後ハウスの中で、まずは冨澤さんが毎日新聞社の毎日農業記録賞最優秀賞を受賞された作文を朗読してくださいました。家業の農業を継ぎ、これからも都市農業を守るという熱い思いが伝わり、感動の拍手が起こりました。
懇親会では冨澤さんの畑で収穫した伝統大蔵ダイコン、亀戸ダイコン、内藤カボチャなどを使ったお料理をお出ししました。
・内藤かぼちゃのカプレーゼ
・内藤カボチャの春巻き
・伝統大蔵ダイコンと亀戸ダイコンの生をバジル味噌で。
・伝統大蔵ダイコンの炒め物
・伝統大蔵ダイコンの麻婆
・亀戸ダイコン汁
・ケーニッヒ小金井本店のハムやチーズの盛り合わせ
・ワイン&ビール、ソフトドリンク等
皆さんに自己紹介をしていただいた後、交流を深めていただきました。このつながりを今後の活動に活かしていただければ幸いです。

最終日に講師を務めていただいた中田先生がその様子をブログに掲載してくださいました。

新・伏臥漫録~フードマイレージ資料室から~(江戸東京野菜コンシェルジュ第6期最終日)
新・伏臥漫録~フードマイレージ資料室から~(冨澤ファーム見学会)

本年も江戸東京野菜コンシェルジュ協会にご協力、ご支援をいただきありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

文責:事務局/松嶋